岸ゴムほぼ日刊コラム

■■ 羊男のクリスマス ■■

Written by カフカ


最新のコラム


06/23(火) 自転車について
04/16(木) 幸せについて
03/06(金) 趣味嗜好について
01/10(金) 鼻血とワインとハンザ都市について
12/23(月) eスポーツについて 2
11/01(金) ワタルについて
06/13(木) 梅雨について
03/14(木) 焚火について
01/31(木) 優しい人について
12/28(金) 絵本について
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自転車について
お金の代わりに時間だけはあった大学生の時分、ふと思い立ち、
名古屋の自宅から長野県小布施町の友人宅まで、自転車で訪ねたことがある。


当時気に入っていたでっかいリュックサックに詰め込んだのは、
下着とTシャツを3日分と百均で買ったライト、幾冊かのペーパーバックに、
大事にしていたIWハーパーの角瓶、それにトイレットペーパーを一巻き。

ポータブルオーディオプレーヤーにはそれらしい曲、つまりはドアーズや
ステッペンウルフやジャニス・ジョプリンなんかを詰めた。

楽しかったのは準備までで、僕はドーナツスタンドで、約270Kmの道程を想い、
出発の前から既にぐったりとしていた。
すっかり冷めた三杯だか四杯目だかのコーヒーで、なるべく甘くなさそうなものを選んで買った
ドーナツを流し込んで、げっぷをした。
まるでダンボールのような味がしたからよく覚えている。

地図アプリなんかない時代、「国道19号」という青看板だけを頼りにひたすら漕いだ。
すれ違う大きなトラックは鮫のように見えたし、トラックからは僕が鰯にでも見えていただろう。
痩せこけて、フラフラな鰯は幸いなことに、鮫たちの食指を刺激しないですんでいた。

誰とも会話のないまま日が暮れ、工事の三日目で飽きてほったらかしになったような広場を
見つけ、初日の寝床とした。
相棒を労う為に、彼のサドル部分にクッションを結わえた。

彼は誇らしそうであったし、僕は僕の尻の痛みが緩和される可能性に期待した。


そのようにして、夜の寒さに体にトイレットぺーパーを巻き付けたり、焚火をして叱られたり
初日に壊れた百均のライトのおかげで美しい星空をながめたりして、五日後、僕は小布施町にたどり着いた。

小布施町での楽しい数日間はあっという間に過ぎ、名古屋に帰る時がきた。同時に相棒との別れの時もきた。
彼の体は限界であったし、僕は電車で帰りたかったからだ。
自転車屋に彼を引き取ってもらう際、僕は彼との信頼関係について改めて考えた。
僕は彼が一日に二回もパンクした事実を責めなかったし、彼もパンクさせた僕を責めなかった。

ももの部分が少しきつくなったズボンをはいて、僕は特急しなの・名古屋行きに乗り込む。
一歩大人へ近づいた20歳の初夏であった。
2020年6月23日(火) No.65

幸せについて
高熱で寝込んでいたりすると、健康に過ごせていた日々を想い

平穏な日常がいかに幸せであったかを知る


熱も下がり、体も動くようになると

平凡な日常に感謝したりする


しかしながら、そんな幸福やありがたみは三日で途絶え、

今度は腰痛で動けなくなるまで忘れてしまう


今、世界中が同じ気持ちなんだろうなと思う

今度こそ忘れないでおこうと誓う


2020年4月16日(木) No.62

趣味嗜好について
もうすぐ38歳になるのだが、歳を重ねるたびに感じるのは、
子どもの頃に思い描いていた自分との乖離である。

下記に羅列してみる。


1)思い描いてた38歳の僕
好物 カラスミ
音楽 グレン・グールト
趣味 逆にサーフィン
夢  子どもと酒を酌み交わす事


2)現在の僕
好物 明太子
音楽 片想い
趣味 銭湯めぐり
夢  猫を飼う事


好物は頑張ればイケたんじゃないかなと思う。
2020年3月6日(金) No.61

鼻血とワインとハンザ都市について
今朝、鼻血をだした。

僕は鼻血がでてしまうのが嫌いじゃない。他の出血と違い、エネルギッシュの象徴のような気もするし、ハンザ都市の話を思い出すからだ。

さて、ハンザ都市とは、その昔、ドイツに点在していた(今もブレーメン等はハンザ都市なのか)ポリスの集合体というか経済協定のはしりのようなもの(だった気がする)なのであるが、そのハンザ都市が他のポリスを吸収なり併合なりする時、戦争をして血を流すより、その血をワインに代えて市長が飲み比べをして決めるというのがあったのだ。


そのユーモアと心意気が僕は好きだ。


しかし、都市の命運にかかわる事だから、そのプレッシャーは凄まじく、もしかしたらそのワインは、するはずもない鉄の味がしたのかもしれない。


鼻血が鼻腔を通り、口に広がるとき、なんだか市長の気分になるのである。


ちなみに、安物の甘いドイツワインも僕は好きだ。
2020年1月10日(金) No.60

eスポーツについて 2

先日、名古屋市国際展示場にて行われたeスポーツの大会を観戦してきた。

Redbull主催の本大会は例年フランスで行われるのだが、今年は日本、それも愛知県で開催されるという事なので、友人二人と意気込んで出かけた。上の画像、モニターの下に設置された金網に選手二人が入り電子世界で殴り合いを行うのだ。

少し前の話であるが、eスポーツの普及に伴い、”スポーツ”の部分がクローズアップされ、「ゲームはスポーツ足り得るのか」という論争をコメンテーターが真顔で繰り広げていた。僕の結論は「どっちでもいい」であった。

しかしながら、企業のスポンサードを受け、技術を磨いた選手たちが”たかがTVゲーム”に、真摯に向き合い技を競い合う姿、敗者が勝者を称える姿、また、そんな選手たちを声を枯らして応援する観客たちに、僕は心地よい既視感を憶えたし、それはスポーツ観戦が好きな僕の心を十分に満たしてくれもした。

大人が集まってゲームで競い合っているだけであるが、何事もつきつめると感動を呼ぶものである。僕も声を枯らす観客のひとりとなっていた。

選手のみなさんお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
2019年12月23日(月) No.59

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